楽しく描くとは、絵に限らず。

受講した理由は「美大で絵が上手くかけていたことを忘れたくないし、取り戻したい」と強く思ったからです。
デザインの仕事に携わっていると、PCと向き合う日々が過ぎていきます。
許されるなら、絵を描いて生きていたい、という夢から、気づくとだいぶ軌道を逸れてしまいました。
にわかに週末に絵を描き始めましたが、久しぶり過ぎて思い通りに鉛筆は動きません。

そんな中で選んだデッサンのハウツー本は「脳の右側で描け」
著者のベティ・エドワーズ博士は、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の美術学部の教授だった方。
「新たな視点でものを見る」ことと、「知覚」の大切さを活かしたこのデッサンの技法書は、論理的にも納得感があり、全く想定してなかったやり方で絵を描くことの面白さを甦らせてくれました。

模写する絵を逆さまにして描くことや、ネガ・スペース(モチーフ以外)を描くなど、それでいいの?!!
と思いながら進める結果、ちゃんとかけているのです。

「ベティ先生に絵を学びたい!」
と思って調べた結果、国内で唯一学べるのが「アート・アンド・ブレイン」
ベティ先生から直接学んだ齋藤由江先生によるワークショップ「ファイブデイ」です。
きっと変わる、もっと変わるはず、という思いで即申し込みました。

ここからは、実際に受講した人だけが知る右脳モードの時間です。
技法書を読みながら描くことと、由江先生の本場仕込みのご指導やヒントをいただきながら進めるのでは格段の差がありました。
由江先生は、アイ・ハンド・コーディネーションを大切にし、
「あなたはどうしたいか、どう感じたか」
をいつも問うてくださいます。

最終日。
上手くなったかどうか、という当初の目標達成についてです。

「上手くなったかどうか」という小さな発想を遥かに超えた絵の楽しさに出会えました。
楽しくかけたそれぞれの絵は、自分にとっては宝物のように輝いて見えます。

これが右脳モードで過ごすことの楽しさであり、
先生や同志とのかけがえのない幸せな時間を得られて感謝しております。

最高の自分でいる時間が多いと、セレンディップなことも増えるのかもしれません。
ファイブデイを受講後、自分が思い描いた生き方のいくつかを実現できております。
楽しく描くとは、絵に限らず。
よく見て感じること、日々右脳モードを続けようと思います。

また、絵を描いた後のフィードバックの時間が、
描いている時間以上に貴重な経験となりました。
先生はもちろんのこと、一緒に参加している同志たちからの気づきや発見が、新たな自身の扉をたくさん開いてくれました。

(N.M 2016年5月受講)